「ヤブサキにスマイルプロジェクトあり、と言われたい」と宮脇部長が語るほど、社内で重要視されているプロジェクト。笑顔に関わる取り組みだということはプロジェクト名からも推測できるけど、具体的にはどんなプロジェクトなの? ヤブサキの社風をよく表すこの取り組みを紹介します。
短所をあげつらうな、長所を見つけて伸ばせ
スマイルプロジェクトは社長のアイデアからスタートしました。当時の社長がどんな想いで始めたのか。2020年の社内報「ヤブサキタイムズ」に、社長の言葉で語られていました。
「仲間同士の長所と短所を理解しあったチームは、チーム力が高い。お互いの足りないところを補おうとするからだ。他人の短所はよく気づくが、長所は意外に見えていない。上司部下の関係でもだ。他人の長所を見つけ、伝えることができたら伝えられた本人は自分の色に気づき始める。そしてそれを伸ばそうとするのだ!もうお気づきだろう!ヤブサキにはスマイルプロジェクトがある!」
そう、スマイルプロジェクトはお互いの長所を伝え合うための取り組みなんです。
名刺よりもちょっと大きなサイズの「スマイルカード」に相手の長所を感謝の言葉とともに書いてコルクボードへ。貯まれば貯まるほど、お互いへの気遣いや感謝、信頼が形になって目に見えて、嬉しい取り組みです。
え、やるの?と言っていた本人が今では
このスマイルプロジェクト、実は始まってから浸透するのにけっこう時間がかかりました。周りへの感謝の言葉って、いざ口にしようとするとけっこう恥ずかしいですよね。特にヤブサキに長く勤めるベテランのおじさんたちほど、シャイな人たちが多かったんです。プロジェクトリーダーを任せられた井上店長が「正直はじめは面倒だなぁーって思っていました」と言ってしまうほどですから。おい、井上店長、そりゃないじゃない。
でも、そんな井上店長も今ではすっかりこのスマイルプロジェクトが大好きに。「嬉しいんだよね。結局仕事は一人ではできないんですよ。仲間がいて、協力して助け合っていかなければいけない。そこに笑顔があればもっと楽しめるんじゃないかなって思うんです」なんて言っています。宮脇部長からも「やっぱり嬉しいですよね。人から褒められるとか、見てもらえるとか」といった言葉が。
2人はプロジェクトのイメージ動画を作ったり、率先してカードを送ったりと推進を続けました。旗振り役の前向きな努力もあって、スマイルプロジェクトは徐々に浸透。開始から6年近く経った今では、多い店舗で月に200枚以上送り合っていたり、1ヶ月で60枚ももらう人が出たりと大盛況。心なしか、いいえ確実に、社員たちに笑顔が溢れています。
年に一度はMVSも決めちゃいます。MVPならぬ、MVS。モースト・ベリー・スマイルプロジェクトの略です。1年間で最も多くカードをもらった人トップ3が表彰され、順に優勝賞金3万円、2万円、1万円が手渡されます。嬉しい特典ですが、気持ちはお金に換えられません。賞金よりも何よりも、お互いからの「ありがとう」の気持ちを大事にしましょう。
実際にチームワークにつながっています
ここでスマイルプロジェクトによって起きた、嬉しいエピソードを紹介します。まず1つ目。店舗と鈑金工場は、店舗側から工場に仕事をお願いする関係。お客様のために早く仕上げたい店舗側と、納得のいく品質でじっくり仕上げたい工場側で、意見がぶつかることも多かった。そこで工場側が仕事をもらうたびに、店舗側の担当者にスマイルカードを贈ることにしたんです。「仕事を出してくれてありがとう」と。以来、自然とお互いの仕事を尊重できるようになりました。工場側は「担当者のためにも早く仕上げよう」、店舗側は「無茶な依頼はできるだけ減らそう」と。以前に比べ、関係が劇的に改善されたんです。
もう1つ紹介します。悪い人じゃない。仕事ぶりも真面目。でも自分の意見を曲げられず、なかなか周囲とうまくいかない社員がいました。スマイルプロジェクトは、本来自発的なやりとりを目指していますが、この時ばかりは宮脇部長が強制。「カードをどんどん配れ!人に感謝しろ!」とスマイルカードを習慣づけると、段々と性格が丸くなって人間関係も良くなったとか。実は言葉にするのが苦手なだけだったんですね。恥ずかしくてなかなか面と向かって言えなかった感謝の言葉も、カードを通してなら伝えやすかったりするんです。
オンラインで、気持ちは場所を飛び越える
ここまでスマイルプロジェクトを紹介してきましたが、1つ、大切なことを伝え忘れていました。それは社内SNS「ゴーラス」の存在です。多くの店舗・工場を展開しているヤブサキでは、店舗や工場を超えたコミュニケーションが希薄になりがち。せっかく書いたスマイルカードも、渡せなかったら気持ちが届きません。そんな時はSNSを使って離れたスタッフに写真で共有。部署間の交流を深めています。 将来、ヤブサキがより大きな会社へと成長していく中で、場所の制約を受けないSNSはますます重要になってきます。拠点が増え、人が増え、SNSが活発になれば、スマイルプロジェクトももっと盛り上がる。今よりもっとたくさんのスマイルカードが飛び交う未来がすぐそこに。楽しみです。これから入社される皆さんも、最初にもらえるスマイルカードのことを楽しみにしていてください。きっと先輩から、厳しくも優しい多くの言葉がもらえるはずです。